
空を飛ぶことには、いくつになっても不思議な魅力があります。子どものころに紙飛行機を飛ばしたり、空港で離陸する機体を見上げたりしたときの胸の高鳴り——その感覚を、パソコンの中で自分の手で再現してみたい。そんな思いから、本書は生まれました。
「Unityでフライトシミュレーターを作ってみたいけれど、何から始めたらいいかわからない」という方を対象に、できるだけやさしく、手順を追って紹介しています。難しい理論や数学は脇に置き、まずは“飛ばす”ことをゴールにします。読者の方が一歩ずつ組み上げていけば、きちんと空を飛ぶ自作セスナ機が完成する構成になっています。
第1章では、Unityの準備から始めます。エディターのインストールやシーンの作り方、地面と滑走路の設定など、最初の一歩をじっくり進めます。続く第2章では、ゲームパッドやキーボードを使って機体を操作する「入力設定」を学びます。ジョイスティックの動きがプログラムにどう伝わるのかが分かると、ゲーム開発の仕組みが一気に身近になります。
第3章では、飛行機を前に進ませる“推力”を作り、第4章では“揚力”の仕組みを追加します。重力とバランスを取りながら機体がふわりと浮き上がる瞬間は、実際に作った人にしか味わえない感動です。第5章では、姿勢制御の仕組みを整えて、機首を上下させたり旋回したりできるようにします。エルロンやラダー、フラップなど、航空機らしい装置もここで登場します。
第6章では、これらの補助翼をアニメーションさせて、実際の飛行機のようにパタパタと動かします。第7章では、タコメータや速度計、高度計といった計器を画面に配置して、操縦席らしい雰囲気を整えます。さらに第8章では、Google MapやCesiumを使って地形を表示し、現実の風景の上を飛ぶ「遊覧飛行」も体験できます。最後の第9章では、VRゴーグル(Meta Quest)で実際に“操縦席に座る”感覚を再現します。
最初はUnityの操作とスクリプトで精一杯かもしれませんが、操作に慣れてくると、次は「計器を追加してみたい」「自動操縦に挑戦したい」といった新しいアイデアが次々と浮かんでくるはずです。Unityは、そうした想像を形にできる素晴らしいツールです。本書が、その入り口として、あなたの創作意欲を刺激するきっかけになれば幸いです。
さあ、それでは、あなたの手でつくる“初めての飛行”へ出発しましょう。
はじめに
第1章 Unityの準備
1-1 Unityのインストール
1-2 シーン設定
■ 地面を構築
1-3 機体を準備
■ 飛行機モデルをインポート
■ コライダーを設置
■ 飛行テスト
第2章 入力設定
2-1 Input Actions
第3章 推力
3-1 エンジン出力
3-2 プロペラ
3-3 スロットル
3-4 抗力
第4章 揚力
4-1 カメラ制御
4-2 揚力
第5章 姿勢制御
5-1 Pitch Roll Yaw
5-2 Bank
5-3 スタビライザー
5-4 Flap
5-5 Trim
5-6 地面効果
5-7 ブレーキ・ステアリング
第6章 パーツアニメーション
6-1 Elevator
6-2 その他の補助翼
第7章 計器
7-1 タコメーター
7-2 速度計
7-3 高度計
7-4 姿勢計
7-5 方位計
7-6 レバー類
7-7 オーディオ
7-8 飛行練習
第8章 Google Map
8-1 Cesium for Unity
8-2 遊覧飛行
8-3 コックピットカメラ
8-4 Skybox
第9章 VR
9-1 Meta Quest準備
■ Metaアカウントの作成
■ 開発者登録
■ Meta Quest Linkをインストール
9-2 Meta Quest Link
9-3 操縦桿アニメーション
9-4 Android Platform


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